あかなべクリニック

舌下免疫療法について

シダキュア錠 シダキュア錠シート
アレルゲン免疫療法
病因アレルゲンを投与していくことにより、アレルゲンに曝露された場合に引き起こされる関連症状を緩和する治療法で、アレルギー疾患の自然経過を改善させることが可能な治療法です。当初は、2014年にスギ花粉舌下液(シダトレン)による減感作療法(アレルゲン免疫療法)が行われるようになり、スギ花粉症の症状が改善され、対症療法薬剤使用量の減少がみられました。
しかし一方で、この治療は治療期間が長い(スギ花粉非飛散期を含め年単位で継続して施行)、スギ花粉飛散期から投与開始できない、対症療法のように即効性を期待して行うものではない、剤型が液状冷蔵保存で管理しにくいといった特徴がありました。また、副作用として投与開始初期に投与部位(口腔内)に関連した症状発現も時にみられ、アナフィラキシー等が発現する可能性もあります。
シダキュア舌下錠が、2018年4月に薬価収載・発売され、2019年5月から長期投与が可能になりました。シダトレンに替わり、5歳以上の小児から適応となりました。
シダキュアによる治療の対象は「スギ花粉症」の患者さんです。毎年スギ花粉飛散期に、くしゃみ、鼻のかゆみ、 鼻漏、鼻閉の典型的鼻症状を有し、ときとして目のかゆみ等の眼症状を伴う場合、スギ花粉症である可能性が高くなります。

対象患者さま
スギ花粉症患者 (成人及び5歳以上の小児)

治療を受けられない患者さん
○ 病因アレルゲンがスギ花粉ではない患者
○ 重症の気管支喘息患者 [本剤の投与により喘息発作を誘発するおそれがあるため。]
○ 悪性腫瘍、または免疫系に影響を及ぼす全身性の疾患(例えば自己免疫疾患、免疫複合体疾患、または免疫不全症等)のある患者 治療に際し注意が必要な患者さん
○ 本剤の投与、またはアレルゲンエキスによる診断・治療、あるいはスギ花粉を含む食品の摂取等によりアレルギー症状を発現したことのある患者
○ 気管支喘息患者
○ 高齢者 [65歳以上の高齢者に対する使用経験はないため ]
○ 妊婦、産婦、授乳婦
○ 非選択的β遮断薬服用の患者 [本剤が投与されたときに、本剤による反応(アレルギー反応)が強くあらわれることがあるため。]
○ 全身性ステロイド薬投与の患者
○ スギ花粉以外のアレルゲンに対しても反応性が高い(特異的IgE抗体値が高い)スギ花粉症患者: ハウスダスト1、ハウスダスト2、 コナヒョウヒダニ、ヤケヒョウヒダニ、アスペルギルス、アルテルナリア及びカンジダに対する特異的IgE抗体検査でいすれかがClass 5以上の患者は対象から除外されていました。

舌下免疫療法を希望される方は医師にご相談下さい。